情報提供者:案件スタッフ
心身の不調で働けなくなった時、生活を支えてくれる最後のセーフティーネット「傷病手当金」。
実はこの制度、会社を退職した後でも最長1年6ヶ月間、給料の約3分の2を受け取り続けることができる、非常に強力なものです。
しかし、その受給には複雑な条件や多くの「落とし穴」が存在します。
今回は、傷病手当金を合法的に、かつ最大限に使い倒すための裏ワザと、誰もが気になる「副業」のリスクについて徹底解説します。
【大前提】退職後も傷病手当金をもらうための「絶対条件」
退職後も傷病手当金を受け取るためには、大前提として以下の2つの条件をクリアしている必要があります。
条件1:社会保険の被保険者期間が「継続して1年以上」あること
よく「在籍期間が1年以上」と誤解されがちですが、正しくは社会保険の被保険者期間です。
例えば「正社員として半年勤務し、その後半年間休職した」という場合でも、休職中も社会保険に加入し続けていれば、被保険者期間は継続して1年となり、この条件をクリアできます。
条件2:退職日に出勤していないこと
これは意外な落とし穴です。
退職日に、たとえ挨拶のためだけでも出社してしまうと「労務可能」と判断され、退職後の継続給付が受けられなくなる可能性があります。
退職日は有給休暇を充てるなどして、絶対に出勤しないようにしましょう。
【悪用厳禁】受給中の副業はどこまでバレないのか?
傷病手当金は、あくまで「労務に服することができない」人のための制度です。
そのため、受給中に労働をして収入を得ることは原則として禁止されています。
万が一発覚すれば、給付の停止はもちろん、不正受給として過去に遡って全額返還を求められる厳しいペナルティが待っています。
その大前提を理解した上で、発覚しにくい「グレーゾーン」の副業について解説します。
▼ バレにくい副業の条件
- 社会保険の加入義務がない働き方(個人事業主からの業務委託など)
- 給与明細や源泉徴収が発生しない仕事
- メルカリでの不用品売買や、ポイントサイトでの活動
- 株式投資などの資産運用(労働収入ではないため)
重要なのは、誰にも話さないことです。
不正受給が発覚する最大の原因は、SNSでの発言や、知人・同僚からの密告です。
「ズルをして得をしている人」は、他人の嫉妬を買いやすいことを肝に銘じておきましょう。
傷病手当金を満額もらった後の「次のセーフティーネット」
1年6ヶ月の傷病手当金を受け取り終えた後も、まだ道はあります。
それは「失業保険(雇用保険)」への切り替えです。
傷病手当金の受給中は、当然ながら失業保険を受け取ることはできません。
しかし、「働ける状態になった」後に、ハローワークで手続きをすれば、そこから失業保険の受給を開始できるのです。
ただし、失業保険を受け取れる期間には限りがあるため、傷病手当金をもらい始めたら、なるべく早くハローワークで「受給期間の延長手続き」を行っておくことが非常に重要です。
この一手間を怠ると、いざ働ける状態になった時に失業保険がもらえない、という最悪の事態になりかねません。
困った時の相談先は?
傷病手当金や退職に関する手続きは非常に複雑です。
もし専門家に相談したい場合は、弁護士ではなく、労働者の立場で活動している「社会保険労務士(社労士)」を探すのが最適解です。
彼らは社会保険制度のプロであり、あなたの状況に合わせた最善の立ち回り方をアドバイスしてくれるでしょう。
まとめ
傷病手当金は、ルールを正しく理解すれば、人生の困難な時期を乗り切るための最強の武器になります。
退職後の継続給付、そして失業保険へのスムーズな移行というコンボを成功させるためにも、計画的な準備と行動を心がけましょう。
そして、副業という甘い誘惑には、常に最悪のリスクが潜んでいることを忘れないでください。
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