心身の事情で退職を考えているなら、絶対に知っておくべき国の制度があります。
それは、働かずに給料の約3分の2を最大1年6ヶ月間もらい続けられる「傷病手当金」です。
これは社会保険に1年以上加入していれば誰でも使える正当な権利であり、その活用法は現代の錬金術とも言えます。
この裏ワザを成功させる鍵「診断書」
この制度を最大限に活用するための最も重要な鍵は、「就労が困難である」ことを証明する医師の診断書です。
特に「仕事のストレスによるうつ病で就労不可」といった内容の診断書があれば、申請は非常にスムーズに進みます。
重要なのは、この診断書を必ず会社に在籍している間に取得することです。
現代のストレス社会において、精神的に不調をきたすことは誰にでも起こり得ます。手遅れになる前に、専門医に相談することが賢明な判断です。
オンライン完結で診断書を入手する方法
「病院に行く時間がない」「対面での診察は気が引ける」という方でも問題ありません。
「東京駅メンタルクリニック」のようなオンライン診療に対応したクリニックを利用すれば、自宅にいながら診察を受け、診断書を発行してもらうことが可能です。
傷病手当金申請までの具体的手順
診断書が手に入ったら、あとは以下の手順に沿って手続きを進めるだけです。
ステップ1:申請書を準備し、医師に記入してもらう
まず、全国健康保険協会(協会けんぽ)のサイトから「傷病手当金支給申請書」をダウンロードします。
そして、診断書を発行してくれたクリニックに持参または郵送し、医師の署名をもらいます。
ステップ2:会社に提出し、事業主の証明をもらう
医師の署名が入った申請書を、退職届と一緒に会社へ提出します。
会社側に事業主としての証明欄を記入・捺印してもらえれば、申請の準備はほぼ完了です。
ステップ3:協会けんぽに郵送する
全ての記入が完了した申請書と必要書類を、管轄の協会けんぽに郵送します。
不備がなければ、退職後の翌月あたりから、あなたの口座に傷病手当金の振込が開始されます。
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傷病手当金の受給期間(1年6ヶ月)が終了しても、まだ就労が困難な場合は、次のセーフティネットとして「障害年金」があります。
以下の記事で詳しく解説していますので、万が一の時のために知識として知っておきましょう。